薬剤師レジデントとキャリアイメージ

薬剤師レジデント研修制度

 当院の薬剤師レジデント研修制度は、調剤室や製剤室など薬剤部における各部署の業務(図1)やチーム医療での活動を幅広く経験することで、今後、医療現場で活躍できる薬剤師になるための基盤を習得することを目的としています。

薬剤師レジデントのスケジュール例

4-9月:調剤室+病棟+部署ローテーション

10-3月:調剤室+病棟+チーム医療への参加

 基本的には、午前に調剤室、午後に各病棟での業務となっており、これに加えて 各部署やチーム医療をローテーションしていくことになります。

調剤業務

 4月に入職してからは主に調剤業務にあたり、錠剤、散剤、水剤、外用薬、注射剤の調剤を行います。大学病院であるため、多くの診療科から幅広い処方を学ぶことできるのが当院の魅力です。また、5月には薬物療法に関する総合的な試験があり、臨床薬剤業務に必要な基本的な知識を確認します。

 

病棟業務

 5月に行われる試験合格後、薬剤師レジデントは6月から病棟業務を始めます。 当院では全病棟に薬剤師を配置しており(表1)、この中から1病棟を担当 します。

 入院時の持参薬確認、服薬指導、処方チェック、薬効や副作用のモニタリング、 退院時指導、化学療法の説明、病棟配置薬の管理、医師や看護師からの薬物療法に関する相談などに対して、各病棟担当の先輩薬剤師からフォローを受けながら取り組んでいきます。

部署ローテーション

 4-9月:中央手術部、化学療法管理室、薬効薬物動態解析室、薬品情報室、製剤室、薬務室等の部署をローテーションし、各部署における薬剤師の役割を学んでいきます。例えば、薬効薬物動態解析室は薬物血中濃度測定に加え、様々な遺伝子多型の有無の検査も行っており、ファーマコゲノミクスにも力を入れています。

 

チーム医療への参加

 10-3月:栄養サポートチーム、感染制御チーム、緩和ケアチーム、医療安全管理部カンファレンスをローテーションし、チーム医療における多職種連携や専門薬剤師の活動について学んでいきます。

 

新人勉強会の開催

 各領域の薬物治療が学べる初心者向けの教材が一人一冊支給され、がん、糖尿病、高血圧など重要疾患を中心として、薬剤師レジデントが主体となり勉強会を開いています。一年かけて重要疾患の薬物治療や病態について学んでいきます。

 

実務実習生への指導

 当院では薬学部から長期実務実習生を年間約35人を受け入れています。調剤室や病棟での実務実習の指導においては、指導薬剤師だけでなく、薬剤師レジデントも積極的に関わっています。

 

経済的自立

 2017年度より薬剤師レジデントの就業規則が新たに制定され、経済的に自立して最新の臨床薬学を学ぶことができます。また、レジデント研修中は当直が免除されているため、自己学習する時間も取りやすく研修に集中する環境が整えられています。

 

当院薬剤部におけるキャリアイメージ

 若手薬剤師は、レジデント研修を通し調剤業務、病棟業務、新人勉強会、学会への参加など幅広い経験を積んでいくことで、臨床現場で活躍できる薬剤師になるための視野と知識を身につけていきます。臨床現場で奮闘するなかで興味のある分野を見つけ、先輩薬剤師のように専門資格の取得を目指すのもキャリアの1つです。当院は各種認定・専門薬剤師の研修施設として認定されており、働きながら専門薬剤師などの資格を取得するのに適した環境です。日々、専門性を磨いていけば、そこからさらに講演会や執筆の依頼がされるなど、新たなキャリアアップへの道が開かれるかもしれません。

 経験を重ねていくと、臨床現場の第一線で活躍することに加え、薬剤師業務を安全かつ効率的にマネジメントする立場 (室長) となります。また、院内の様々な委員会や会議に出席する機会も増えるため、管理者としての経験を積んでいくことになり、新たなキャリア形成の道が開かれていきます。

 臨床現場で感じた疑問点を自身の研究テーマに置き換え、研究を行っている薬剤師もいます。当院薬剤部に所属しつつ滋賀医科大学の大学院博士課程へ進学することも可能であり、博士号の学位を取得し、新たなキャリアを築いている薬剤師もいます。

 また、当院でのベッドサイドにおける服薬指導や多職種連携などの経験を活かし、地域医療や在宅医療に貢献するために薬局に転職した薬剤師もいます。各々の薬剤師が活躍されており、十人十色のキャリアがあります。

 どのような薬剤師道を歩んでいくのか、それはこれから現場に出てくる皆さん一人一人が考え、そして行動することで道は開かれます。皆さんが理想としている薬剤師になるよう、共に切磋琢磨し、臨床現場を支えていきましょう!!